SNSやニュース風のサイトで、有名な投資家や経営者が「この方法なら誰でも増やせる」と語る広告を見かけたことはないでしょうか。実は、その多くが本人とはまったく無関係の「なりすまし」による偽広告です。
著名人なりすまし投資詐欺とは、実在する有名人の名前や顔写真を無断で使った偽広告で人を集め、投資名目でお金をだまし取る手口を指します。本人が発信しているように見えるため信頼してしまいやすく、被害は全国で相次いでいます。
もし「あの広告を信じてお金を送ってしまった」という方も、どうか自分を責めないでください。精巧に作られた偽広告は、ふだん冷静な人でも見抜くのが難しいものです。
この記事では、なりすまし投資詐欺の手口・見分けるサイン・そして被害に遭ってしまった後にできることを、順を追ってお伝えします。送ってしまったお金の行方は、状況によっては追える余地があります。

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なりすまし投資詐欺の手口

なりすまし投資詐欺には、共通する「型」があります。結論から言うと、①偽広告で興味を引く → ②LINEなど閉じた場所へ誘導する → ③投資グループで信用させる → ④出金しようとするとできなくなる、という流れをたどります。まずは全体像をつかんでおきましょう。
SNS偽広告 → LINE誘導 → 投資グループ → 出金できず
典型的な流れは、次の4段階で進みます。
| 段階 | 何が起きるか |
|---|---|
| ①偽広告 | SNSやニュース風のサイトに、著名人の写真を使った投資広告が表示される |
| ②LINE誘導 | 「詳しくはこちら」からLINEの友だち追加や外部サイトへ誘導される |
| ③投資グループ | LINEグループやチャットで「講師」「アシスタント」を名乗る人物が投資を指南。他の参加者(実はサクラ)が「儲かった」と投稿し、安心させる |
| ④出金できず | 少額のうちは出金できるが、大きく入金すると「手数料」「税金」などを要求され、最終的に出金できなくなる |
ポイントは、③の段階で偽の取引アプリや管理画面を見せられ、「資産が増えている」ように錯覚させられることです。画面上の数字は操作されており、実際には送ったお金は詐欺グループの手元に渡っています。
このように、SNS上の勧誘から始まる投資詐欺は、手口が共通する部分も多くあります。SNSでの勧誘全般の型(グループへの引き込みや自動売買ツールなど)については、関連記事で詳しく解説しています。
▶ 関連:SNS型投資詐欺の手口と見分け方
どんな著名人がなりすまされるのか

結論として、「投資やお金に詳しそう」と世間から思われている人物ほど、なりすましに使われやすい傾向があります。名前を知られていること自体が、詐欺グループにとっては「信じてもらいやすい看板」になってしまうためです。
投資家・経営者・有名人の偽広告
なりすましに悪用されやすいのは、主に次のような立場の人物です(この記事では実在の人物名は挙げません)。
- 著名な投資家・資産運用の専門家 … 「この人がすすめるなら」と思わせやすい
- 有名企業の経営者・起業家 … 成功者のイメージを利用される
- テレビや動画で顔を知られたタレント・著名人 … 親近感で警戒心を下げさせる
- 経済評論家・アナリスト … 専門家の肩書きで信頼させる
これらの偽広告では、本人の写真や過去の発言を切り貼りし、あたかも本人が新しい投資サービスを紹介しているかのように見せます。中には、本物のニュースサイトを模したページや、加工した動画が使われることもあります。
共通するのは、「有名で信頼されている人ほど狙われる」という点です。名前を知っているからと安心せず、次に挙げる見分け方を確認してください。
見分けるサイン

だまされないために、偽広告にはいくつかの共通するサインがあります。結論から言えば、「本人がSNSの広告で個別の投資を直接すすめることは、まずない」と覚えておくだけでも、多くの被害はこれ以上広がりません。具体的なチェックポイントを見ていきましょう。
本人が投資をすすめない/公式でない/外部誘導
次のいずれかに当てはまる場合、なりすまし広告を強く疑ってください。
- 本人が個別の投資をすすめている … 著名な投資家や経営者が、SNS広告で不特定多数に特定の投資を直接勧誘することは通常ない。
- 公式アカウント・公式サイトではない … 発信元が本人の公式でない、認証マークがない、アカウント名の綴りが微妙に違う。
- すぐにLINEや外部サイトへ誘導される … 「続きはLINEで」「限定グループへ」と、閉じた場所へ移らせようとする。
- 「必ず儲かる」「元本保証」をうたう … 確実な利益や元本保証をうたう投資は、そもそも制度上あり得ない。
- 登録のない業者・指定口座への送金 … 金融庁に登録のない業者への入金や、指定された個人口座・海外口座への送金を求める。
金融庁は「特に、SNSで知り合った方からの投資勧誘に応じて投資した方からの相談が多く寄せられています。」としたうえで、「取引する業者が日本で登録を受けていない違法な業者であったり、詐欺等をしているおそれもあります。」と注意を促しています(出典:金融庁「FX取引・暗号資産投資の勧誘」にご注意!!)。一つでも当てはまれば、送金する前に、まず立ち止まることが大切です。
なぜ偽広告は放置されやすいのか
「そんな広告、なぜ消されないのか」と疑問に思う方も多いはずです。結論として、プラットフォーム側の審査には限界があり、偽広告を完全には防ぎきれていないのが現状です。
理由はいくつかあります。偽広告は大量に、かつ次々と作り直されて出稿されるため、審査や削除が追いつきません。また、広告の入口では正常なページを見せ、審査を通過した後に詐欺的なページへ差し替える手口も使われます。海外の事業者が関与しているケースも多く、対応が難しくなります。
警察庁や消費者庁も、著名人になりすました偽広告を入口とする投資詐欺への注意を呼びかけています(出典:警察庁/消費者庁)。つまり、プラットフォーム任せにはできず、最終的には利用者側の自衛が欠かせないということです。だからこそ、前述のサインを知っておくことが、被害を防ぐ第一歩になります。

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送ってしまった後その資金は追跡できる

ここまで手口や見分け方をお伝えしましたが、「もう送ってしまった」という方に、最後にお伝えしたいことがあります。結論から言えば、送金後の資金は、状況によっては追跡できる余地があります。
多くの報道や公的機関の情報は、「こういう手口に気をつけましょう」という注意喚起で終わりがちです。もちろん注意喚起は大切ですが、すでに被害に遭った方にとっては、「では、送ったお金はどうなるのか」こそが知りたいところではないでしょうか。
ここで一つの手がかりになるのが、仮想通貨(暗号資産)の性質です。ビットコインなどの多くの仮想通貨は、送金の記録が「ブロックチェーン」という公開された台帳に残ります。調査会社Chainalysisも、ブロックチェーン上の資金の流れは追跡が可能である一方、資金は急速に移動するためスピードが重要だと指摘しています(出典:Chainalysis/Chainalysis)。
総合探偵社みらいはこの送金記録をたどり、資金がどのウォレット(仮想通貨の口座)を経由して最終的にどこへ流れたかを調べます。その結果を調査報告書としてまとめることが専門です。特定した結果は、返金請求を行う弁護士や、捜査を行う警察へつなぐ「入口」としてお使いいただけます。
なお、必ず追跡できる・必ず取り戻せる、とは言えません。ただ、諦める前に「送金先を追う」という選択肢があることは、知っておいていただきたいのです。追跡で具体的に何がわかり、何がわからないのかは、次の記事で詳しく解説しています。
▶ 関連:仮想通貨詐欺の送金先は特定できるのか
関連記事
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出典・参考
- 金融庁|「FX取引・暗号資産投資の勧誘」にご注意!! https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/husyouseikanyuu.html
- 金融庁|「金融庁職員」等を装った詐欺等にご注意ください!! https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/kinyuuchousyokuinntou.html
- 警察庁 SOS47|SNS型投資詐欺 最新の手口 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/sns-romance/investment/
- 消費者庁|暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルにご注意ください https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_001/
- Chainalysis|How Chainalysis Supports Crypto Investigations https://www.chainalysis.com/blog/how-chainalysis-crypto-investigations-supports-cases/
- Chainalysis|The 2026 Crypto Crime Report https://www.chainalysis.com/reports/crypto-crime-2026/
免責事項
本記事は、情報提供を目的としたコンテンツです。
本記事の内容は、公開日時点の情報および一般的な知見に基づいています。
総合探偵社みらいの業務範囲は、送金先をたどる調査と、調査報告書の作成・納品までです。仮想通貨・銀行振込・決済アプリのいずれのご相談も承ります。返金交渉その他の法律事務は弁護士の業務範囲(弁護士法第72条)であり、当社では実施いたしません。
個別の法律問題については、弁護士等の専門家にご相談ください。
本記事の情報に基づいて行動した結果について、運営者は責任を負いかねます。
仮想通貨詐欺の追跡調査/ブロックチェーン解析
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総合探偵社みらいの業務範囲は、調査と報告書の納品までです。返金請求・示談交渉は弁護士法第72条により行いません。
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