「あんなに気をつけていたのに、どうして自分が」——今、そう自分を責めていませんか。「増える」と言われて振り込んだお金が戻ってこない。相手と連絡が取れなくなった。取り返したいのに、何をどうすればいいのか分からない。悔しさと焦りで、頭が真っ白になっているかもしれません。
まず、いちばん大事なことをお伝えします。諦めるのは、まだ早いです。「もう取り戻せない」と思ってしまう気持ちはよく分かります。ただし、被害に気づいた今この瞬間から動けるかどうかで、その後の可能性は変わってきます。だまされたあなたは、何も悪くありません。悪いのは、だました相手です。
この記事では「取り戻す」ために何から動けばいいのか、実際のイメージ事例を交えながら、いちばん最初の一歩をお伝えします。むずかしい手続きの話ではありません。まずは気持ちを立て直して、動き出すための入口だとお考えください。

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仮想通貨で騙し取られたお金は取り戻せるのか

結論からお伝えします。「必ず取り戻せます」とは言えません。ですが、取り戻せる可能性が残っているケースはあります。大切なのは、その可能性が「時間とともに減っていく」という点です。だからこそ、気づいた今が分かれ目になります。
「どうやって返してもらうのか」という方法や手続きの詳しい話は、この記事ではあえて深入りしません。まずは、可能性がどう変わるのかを知っていただくことが先だからです。方法を落ち着いて知りたくなった方は、記事の最後にご案内する返金の記事へお進みください。
取り戻せる可能性は「動く速さ」で変わる
取り戻せる可能性は、「どれだけ早く動いたか」で大きく変わります。これは脅しではなく、希望としてお伝えしたいことです。早く動けば、それだけ打てる手が残っているからです。
理由は、仮想通貨(暗号資産)の「動きの速さ」にあります。だまし取られたお金は、そのまま一か所にとどまっているわけではありません。犯人グループは、足がつかないように、送られてきた資金を次々と別の財布(ウォレット)へ移していきます。ブロックチェーンの分析を行うChainalysis社も、不正な資金は非常に速く移動するため、対応のスピードが重要だと指摘しています(出典:Chainalysis)。
裏を返せば、資金がまだ大きく散らばる前であれば、送られた先を追える余地が残っているということです。振り込んだ直後、相手と連絡が取れなくなった直後——そのタイミングで動けた方ほど、追跡の手がかりは多く残っています。
反対に、時間が経つほど資金は複数の財布や海外の取引所へと分散し、たどるのは難しくなっていきます。金融庁も、送金してしまった後の被害回復は容易ではないと注意を呼びかけています(出典:金融庁)。だからこそ、「難しくなる前に動く」ことに意味があります。今のあなたの一歩には、ちゃんと価値があります。
「取り戻す」と「返金」は何が違うのか
「取り戻す」と「返金」は、似ているようで、実はあなたが今いる”段階”が違います。ここを整理すると、次に何をすべきかが見えてきます。
- 「取り戻す」=今すぐ動く、最初の一歩。気持ちを立て直し、証拠を守り、送金先をたどれる見込みがあるかを確認する段階。まさに今のあなたの段階。
- 「返金」=そのあとの、方法と手続き。実際にお金を取り戻していくための具体的な進め方や、成功率を上げる手順の話。少し落ち着いて、冷静に段取りを組む段階。
つまり、まず「取り戻す(動く)」→ 次に「返金(進め方)」という順番です。今は焦って手続きの詳細まで調べなくて大丈夫です。まずは動き出すこと。手続きや確率の話を落ち着いて知りたくなったら、こちらをご覧ください。
▶ 返金は可能? 方法と確率、成功率を上げる進め方を詳しく知りたい方へ
【事例】早く動いて追跡できたケース

ここからは、実際にあったご相談をもとにしたイメージ事例を2つご紹介します。ご自身の状況と重ねながら読んでみてください。まずは、早く動けたことで、送金先を追えたケースです。
※プライバシー保護のため、内容の一部を改変したイメージ事例です。特定の個人・案件を示すものではありません。
事例の詳細(時系列ストーリー)
40代の会社員Aさんは、SNSで知り合った相手から投資アプリをすすめられ、少額から始めました。画面上では利益が増えていき、信じて追加で入金。ところが「出金するには手数料が必要」と次々に要求され、応じても一向にお金は戻らず、ある日ふつりと相手と連絡が取れなくなりました。
被害に気づいたAさんが取った行動は、「その日のうちに相談した」ことでした。自分を責める気持ちと闘いながらも、送金の記録・相手とのやり取り・アプリの画面を消さずに保存し、私たちみらいへ連絡をくれました。「もう手遅れかもしれないけれど」と、声を震わせながら。
私たちはすぐに、Aさんが送金した先のウォレット(資金の財布)を起点に、オンチェーン(ブロックチェーン上の記録)で資金がどこへ流れたかを追跡しました。犯人は資金を分散させ始めていました。ただ動きが早かったため、最終的にたどり着いた先まで特定し、その結果を調査報告書にまとめました。
Aさんは、その報告書を持って弁護士へ相談。以降の返金請求や交渉といった法律の手続きは、弁護士が担当しました。私たちみらいが担ったのは、あくまで「送金先を追って、報告書にまとめる」ところまで。それでも、「諦めずに動いたことが、次の一歩につながった」とAさんは話してくれました。
もちろん、早く動けば必ず追える・必ず取り戻せる、というわけではありません。それでも、動いたからこそ残せた可能性がある——それがこの事例です。
【事例】時間が経って追えなくなったケース

次は対照的な事例です。決してあなたを責めるためではありません。「なぜスピードが大切なのか」を、事実として知っていただくためのお話です。
※プライバシー保護のため、内容の一部を改変したイメージ事例です。
事例の詳細(放置で資金が分散)
50代のBさんは、著名人になりすました広告から投資グループに勧誘され、まとまった金額を送金しました。おかしいと気づいたものの、「相手ともう一度話せば返してもらえるかもしれない」「恥ずかしくて誰にも言えない」という気持ちから、数か月のあいだ誰にも相談できずにいました。
ようやくご相談いただいたとき、私たちは同じように送金先の追跡を試みました。しかし時間が経つあいだに、資金はいくつもの財布へ小分けにされ、海外の取引所などへと次々に移されていました。追える手がかりは残っていたものの、資金が大きく分散したあとでは、たどれる範囲は限られてしまったのです。
大切なのは、Bさんは何も悪くない、ということです。恥ずかしさや「自分でなんとかしたい」という気持ちは、被害に遭った誰もが抱くものです。ただ、犯人はその「ためらう時間」を利用して、資金を遠くへ逃がしていきます。だからこそためらう気持ちごと、早めに誰かに預けてほしい——このケースはそのことを静かに教えてくれます。
取り戻せた人と取り戻せなかった人の違い

2つの事例を並べてみると、分かれ目がはっきり見えてきます。才能でも運でもありません。もっとシンプルで、誰にでも当てはまることでした。
分かれ目は「気づいて、どれだけ早く動いたか」
取り戻せる可能性を残せた人と、そうでなかった人の違いは、たった一つ。「気づいたあと、どれだけ早く動いたか」です。
| — | 早く動いたケース(Aさん) | 時間が経ったケース(Bさん) |
|---|---|---|
| 相談までの時間 | 気づいたその日のうち | 数か月ためらった |
| 証拠の状態 | 記録を消さず保存できた | 一部が残しづらくなった |
| 資金の状態 | 分散し始めた段階で追えた | 複数・海外へ大きく分散 |
| その後 | 追跡結果を弁護士へつなげた | 追える範囲が限られた |
理屈というより、事例が示している結論です。知識の量でも、送った金額の大きさでもありません。「もう遅いかも」と思いながらも動いた人に、可能性は残りやすい。逆に、ためらっている間に、追える手がかりは静かに減っていきます。
今この記事を読んでいるあなたは、すでに「動こうとしている」段階にいます。それは、Aさんが最初に踏み出したのと同じ一歩です。

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諦める前に「送金先の追跡」という選択肢がある

ここで、多くの方が見落としている選択肢をお伝えします。それが「送金先を追う」という道です。
インターネットで「仮想通貨 詐欺 取り戻す」と調べると、弁護士や公的機関のページの多くが「匿名性が高く、追跡は困難」「回収は難しい」と結論づけています。もちろん、それは正直で誠実な説明です。ですが、その説明は多くの場合「追跡そのものを専門にしていない立場」から語られています。その点に気づいていただきたいのです。
私たちみらいは、その”追跡”を専門にしている調査会社です。仮想通貨の取引記録は、ブロックチェーンという公開された台帳にすべて残ります。Chainalysis は、ブロックチェーンの透明性についてこう述べています。「The transparency of the blockchain allows government agencies and law enforcement to track and trace criminal activity more easily than fiat currencies.」(ブロックチェーンの透明性により、政府機関や法執行機関は、法定通貨よりも容易に犯罪活動を追跡できる)(出典:Chainalysis「How Chainalysis Crypto Investigations Supports Cases」)。この記録をたどるオンチェーン分析によって、だまし取られた資金がどこへ流れ、最終的にどこへ到達したのかをたどれる見込みがあるのです。
もちろん、鉄則としてお伝えします。追えば必ず取り戻せる、というものではありません。資金がすでに大きく分散していれば、たどれる範囲は限られます。それでも、多くの人が「困難」の一言で足を止めるその地点で、「まだ送金先を追えるかもしれない」という選択肢を差し出せること。それが、私たちの立ち位置です。
私たちが行うのは、送金先・最終到達先を特定し、その結果を調査報告書にまとめること。そこから先の返金請求や交渉は、弁護士や警察といった専門家の役割です。私たちが担うのは、その手前にある調査と、報告書の作成です。
「本当にそんなことができるのか」と思われるかもしれません。技術的にどこまで追えるのかについては、こちらで詳しくお伝えしています。
▶ 送金先はどこまで追えるのか——特定は本当に可能なのかを知りたい方へ
取り戻すために、今すぐやるべき3つのこと

最後に、今この瞬間から動くための「3つのこと」を、順番にお伝えします。むずかしく考えなくて大丈夫です。上から一つずつで構いません。
①証拠を保全 ②送金先の追跡を相談 ③(返金請求は弁護士へ)
① まず、証拠を保全する(消さない・残す)やり取りの履歴・送金の記録・相手のアカウントやアプリの画面などを、削除せずに残してください。スクリーンショットで保存しておくと安心です。ここで残せた記録が、追跡や、その後の手続きの手がかりになります。何をどう残せばいいかの詳しい手順は、対処法の記事でご案内しています。 ▶ 証拠の残し方・被害直後の対処を詳しく知りたい方へ
② 送金先の追跡を相談する(時間との勝負)証拠を守ったら、送金先をたどれる見込みがあるかを、できるだけ早く相談してください。前述のとおり、資金は時間とともに分散します。この追跡と調査報告書の作成が、私たちみらいの担う役割です。「もう遅いかも」と迷う前に、まずは今の状況をお聞かせください。
③ 返金請求は弁護士へ(法律の手続き)実際にお金を取り戻すための返金請求や交渉、被害届といった法律・刑事の手続きは、弁護士・認定司法書士・警察が担います。私たちみらいはこれらの代理は行いません。追跡で特定した結果を報告書にまとめるところまでが、私たちの立ち位置です。作成した報告書は、これらの窓口にご相談される際の資料としてお使いいただけます。返金請求の具体的な進め方は、返金の記事で詳しくご案内しています。
焦って全部を一度にやろうとしなくて大丈夫です。まずは①と②。それだけでも、状況は前に進みます。
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出典
- 金融庁 https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/husyouseikanyuu.html:暗号資産(仮想通貨)を用いた詐欺的な投資勧誘等に関する注意喚起/送金後の被害回復の困難さ、二次被害への注意 https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/kinyuuchousyokuinntou.htmlについて
- Chainalysis https://www.chainalysis.com/blog/how-chainalysis-crypto-investigations-supports-cases/:ブロックチェーン上の資金は追跡が可能であること、および不正資金は急速に移動するため対応のスピードが重要であること https://www.chainalysis.com/reports/crypto-crime-2026/について
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案について特定の結果を保証するものではありません。返金請求・交渉・被害届などの法律・刑事手続きは、弁護士・認定司法書士・警察が行います。
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